こんにちは!!
ドッペコーチです🌈
ここ最近のグランドスラムで、たくさんのアメリカ選手が活躍してると思いませんか!
男子選手では、テイラー・フリッツを始め、トミー・ポール、ベン・シェルトンなど、20代以下の選手もTop100以内になんと2〜3人もいます!
アメリカ選手が盛り上がると、全米オープンも盛り上がるし楽しくなってきますよね〜😄
ただ、
アメリカ選手が最後にグランドスラムで優勝してから、もう20年近く経っています。
トップ100位以内にいた選手が、90年代に比べてとても少なかった時期がありました。
フェデラー、ナダル、ジョコビッチの活躍が凄すぎて、、アメリカ選手の活躍が影に隠れていたのかもしません、、気のせいかな😓
そこで今回、「アメリカのテニスが強くなった理由」を解説する前に、
なぜアメリカの選手が一時期低迷していたのか。
そして、その低迷時代を乗り越え、どのように復活できたのか。
じっくり解説していきます!
今回はあくまで僕の調べた内容なので、もっと他にも理由があるよという方はコメント欄でぜひ教えてください😄
それではいきましょう!!
アメリカテニスが低迷した理由
数年前まで、アメリカ国内ではこう言われ続けてきました。
「アメリカテニスは劇的に低下した!」
「長年苦しんでいる!」
「最低記録を更新した」
過去の世界ランキングとグランドスラムの決勝まで進んだアメリカ選手を見ていくと、、
●ランキングの選手数
時期:Top100以内 30以内
2005年:8名 5名
2010年:5名 4名
2015年:7名 2名
2020年:9名 2名
2023年:10名 5名
現在 :12名 6名
〈※ATP年末最終ランキング〉
●直近のグランドスラムファイナリスト
〈全豪オープン〉
2003 アンドレ・アガシ 優勝
〈全仏オープン〉
1999 アンドレ・アガシ 優勝
〈ウィンブルドン〉
2009 アンディ・ロディック 準優勝
2000 ピート・サンプラス 優勝
〈全米オープン〉
2024 テイラー・フリッツ 準優勝
2006 アンディ・ロディック 優勝
ここ最近、グランドスラムの決勝に上がってくるアメリカ選手が15年ほどいなかったなんて、本当に信じられない!!
観ている方からすると、多くのアメリカ選手が当然のように活躍しているイメージがありました🧐
全米オープンの盛り上がりの影響かな…
では、なぜアメリカ選手が一時期低迷していたのか、、見ていきましょう!
アメリカが低迷した理由
テニスのグローバル化
2023年New York Timesの記事によると、第一に”テニスのグローバル化”が理由であると述べています。
つまり、ヨーロッパや多くの国々がテニスの発展に資金を投入するようになっていったですね。
確かに2000年代以降、スペイン、フランス、イタリア、ロシアなど多くのライバルが台頭してきました。
最近では中国やインド、ブラジル、スイス、チェコ、セルビアなども強くなってきましたよね😄
“どこの国が強いか”というよりも、”誰が強くて、あぁ〜この国だったんだ”と、後からびっくりすることもあります!!
それに伴い、選手がプロになって最初にポイントを獲得するための下部ツアーの国際大会が、アメリカ以外の多くの国で開催されるようになりました。
🟥下部ツアーの大会数
【2001年→2024年】
アジア地域:38→79
ヨーロッパ地域:約160→約310
アメリカ:32 →36
※ITF公式HPより:2001年Futures(当時)と2024年ITF Men’sWorld Tennis Tourとの比較。
試合数が多くなるって結構大きいですよね!!
地元の優位性(ワイルドカードや移動コストの抑えるなどメリット)が、選手を活躍させている後押しなったんじゃないかなと思います!
ちなみに、日本もITFの大会数を少しずつ増えてきています😁
プレイスタイルの定番化
「クレイコートの経験不足もアメリカが低迷した理由の1つ」、とNew York Timesに書かれていました。
昔からアメリカはハードコートが多く、そのサーフェスを活かした戦術に頼ってしまった側面がありました。
例えば、パワーやスピードを活かしてビッグサーブでポイントを重ねていく、またできるだけラリーを短くし、ネットに詰めてボレーで決めていくプレイスタイル選手が多かったですよね。
その後、他国の選手がそのスタイルに対策を取るようになり、多くのアメリカ選手が上位まで勝ちあがれなくなってきたようです。
特にヨーロッパでは、幼い頃からクレイコートとハードコートの両方でプレーを学んでいるため、さまざまな大会でも幅広い試合展開ができます。
ただ、昨年テイラー・フリッツ選手が15年振りにグランドスラムにアメリカ選手として決勝まで上がってきましたよね!!
そして2020年以降、Top100位以内のランキングをみても、多くのアメリカ選手が上がってきました!
しかも20歳前後が何人もいます!
そこで次は、「なぜ、ここまでアメリカが復活してきたのか?」を見ていきましょう!
アメリカテニスが復活した理由
クレイコートを増やした
まずは男子テニスが成功するには、クレーコートの経験が不可欠だと考えました。
USTA(米国テニス協会)のエリート選手育成部門コーチングディレクターである、ホセ・イグラスコーチの指導では、
「バランスの取れた選手の育成として、ビッグサーブやパワーに頼ることがないよう、クレイコートでもプレーできる選手を育成する」
また、USTAの男子テニス部門ケント・キニア氏は、「可能な限りクレイコートでのプレーの重要性を非常に重視してきました。過去10年間で追加した多くのトーナメントは、クレイコートで開催するように努めてきました。」
ちなみに、過去アメリカの下部ツアーを見てみると、クレイコートの大会数が増えてます!!
2005年 8
2010年:14
2015年:19
2019年:17
2024年:12
(ITF、ATPChallenger含む)
日本は現在、年間1〜2大会。
クレイコートで練習していくと、たくさんのメリットがあると言われています。
・ポイントの構成を学べる。
・フィジカル面の強化
・守備と攻撃を学べる。
・ハードコートへの戦術にも使える。
などなど他もメリットがたくさんあります!
ヨーロッパの選手は小さい頃からクレイコートで練習し、ゲームの成長させていき、その後トップ選手がヨーロッパの選手で席巻するようになりました!
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以前のブログでも書いた「イタリアはなぜ強くなったのか」でも解説していますが、イタリアでは最近、クレイコートだけでなくハードコートも増やしていき、さらに幅広いスキルを身につけようと育成しています!
詳しくはこちら👇👇

もちろんサーフェスだけが理由ではないと思います!
実際、ほとんどの国際大会はハードコートです。
ただ、ハードコートをメインに練習したり試合に参加しても「戦略の幅が広がらない」、「さまざまな試合展開に対応できない」と考えたのかもしれません。
最近のクレイコートの試合を見ても、ベースラインの後方からラリーを繋げる展開よりも、コートの中に入って、攻撃的に自分から仕掛けていく戦略が多い印象ですね😃
包括的な選手育成へ転換
◎USTAの大戦略
2008年以降、ジュニアから上級者まで、各年代を通して体系的な資金サポートを開始しました。
それは、地域レベルから全国レベルまで包括的にテニスキャンプなどのネットワークを構築していき、民間セクター、民間コーチ、コンサルタントと提携・共有し育成プロセスへの強化を図っていきました。
さらに2017年、フロリダ州にUSTAナショナルキャンパスが誕生し、優秀な選手たちがより定期的に互いに連絡を取り合い、お互いのレベルを高めることを可能にしています。
◎総合的なアプローチ
コーチだけでなく、選手の推進役やメンタルパフォーマンスコーチ、S&Cコーチ、分析専門家などから意見を幅広く取り入れていきました。
また、時代に合わせてコミュニケーション方法も変化していった。より選手が自立し、より優れた問題解決能力を持てるように、コーチが選手を導いていくようになりました。
キッズ世代への普及
低年齢時に合わせた短くて軽いラケットやスキルに合わせたボールを開発して、より多くのキッズにテニスの世界を普及してきました!
2024年では、なんと約2,600万人がアメリカでテニスをしていると言われています。(ちなみに日本は約340万人。)
特に、全体の増加率の45%が25歳未満だったです。つまりこれは若いプレーヤー層がどんどん増えていき、将来のアメリカテニスの発展につながっているということですね🌈
さらに、、、
「Tennis in the Parks program」というプロジェクトがあります!
これは、テニス初心者や将来有望なプレイヤーのために、地域のコミュニティテニスを増やしていき、手頃な価格でテニスを始められるように環境を作っていったそうです。
今では、地域の仲間との交流を築いていき、仲間が仲間を呼び、テニスファンがどんどん増えていっています。
ウィルソン社は無料でラケットやボールを提供したり、また、さまざまなスポンサーの支援・寄付金により、コーチの資格取得費用を半額以上で受けることもできるそうです!
では、ここでアメリカの最近の若手選手についてみていこうと思います!
彼らの強さの秘密、どんなところが素晴らしいのか、日本人も見習える点がたくさんありました😁
大注目!若手選手の強さの秘密!
アレックス・ミケルセン
年齢:20歳
身長:193cm
世界ランキング32位(キャリアハイ)
🔶アレックス・ミケルセンの強さの秘密
・圧倒的な負けず嫌い。
・試合中のメンタルの成長:ラケットに当たらない、相手にイライラしない。
・ルーティンを大事にしている:朝食に卵を食べる。
・努力とプロセスが好き:レベルアップしていく中で色々なことに気づいていく姿勢。
・フィジカル強化でタフな試合を乗り切れる。
※Alex Michelsenの自己分析
・安定した強力なバックハンド。
野球をしていた経験(打つのは左利き)からバックハンドが強い。
※米国テニスアナリスト:ブレア・ヘンリー
・テニスIQが高い。
・常にゲームを研究し状況を把握して、意外性のある戦略をとる。
・常に向上心があり、努力する姿勢がある。
※Robby Ginepri, アレックスのコーチ
・ディフェンスの巧みさ。
・190cm以上とは思えないほどの機動力。
※元世界No.4:ブラッド・ギルバート
🔶主な戦績
・2025全豪オープン:4回戦, 2023全米から全て本戦出場
・ATP Challenger:優勝3回、準優勝2回
・2022Wimbledon Junior:優勝
ちなみにハリーポッターが大好き!!!なので、本人はウィンブルドンでテニスするのがとても好きらしいです😄
ラーナー・ティエン
年齢:19歳
身長:180cm
世界ランキング66位(キャリアハイ)左利き
最大の魅力は、型にはまらないショットメイキングと一貫性のある安定したストローク。どのショットも使いこなせてバランスの良いプレイヤー。
【フォアハンド】
・下肢から力強さ、上半身の回転力。
・コートの幅を生かして、機能的で正確なショット。
【バックハンド】
・相手に打ちづらい低い軌道。
・コンパクトで安定したスイング。
・スライスなどで絶えずラリーペースを変える。
【リターン】
・錦織やデミノーのようなカウンターパンチのスキル。
ちなみにカウンターパンチとは、深く返球し相手に攻めさせないこと、そして自分の攻撃へと展開していく。
・あらゆるサーブに対して効果的にステップイン。
・球種や打球を打ち分けるスキル。
2024チャレンジャーツアー内でセカンドサーブ獲得率が3位。
【フィジカル】
素早いフットワーク、長いラリーでも耐えられる足腰
【メンタル】
プレッシャーのかかる場面やチャンスの場面でも、心が落ち着いていて冷静に対応できる。どんなボールにも諦めず粘り強い。
【サーブ】
他のショットより改善点がある。スピードや1stサーブの確率が平均より低い。
本人もさまざまな工夫をして改善に取り組んでいると言っている、動作、タイミング、テンポなど小さな変化を加えている。
※YouTube : Courtside Tennisの解説より
🔶主な戦績
・2025全豪オープン:4回戦 (ナダル以来の最年少記録)
・2024ATP Challenger 優勝1回、ITF Tour M15 優勝4回
・対トップ10勝利:メドベージェフ(対戦当時No.5)、ズべレフ(対戦当時No.2)
ニシェッシュ・バサバレディ
年齢:20歳
身長:180cm
世界ランキング100位(最高ランキング)
・知的な戦略と粘り強いコートカバーリング。
・精神力が強く、食事管理も徹底している。
・攻撃と守備のバランスの取れたプレースタイル
🔶主な戦績
・ATPTourやGrand Slam 本戦出場
・ATP Challenger 優勝2回、準優勝5回
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シナーやアルカラスが今若手選手をリードしていますが、アメリカ選手がまたグランドスラムで優勝する日も近い気がします!!
みなさんはどう思いますか??
僕はこれからもたくさん発信していき、少しでも日本テニスが強くなるよに力を尽くしていきたいと思います!!
ここまで読んでくれて、いつもありがとうございます本記事の内容についてまだまだ勉強中ですので、記事の信用性、数字のついて違う部分もあると思います💦訂正が必要な箇所がありましたら、ぜひご指導いただけますと嬉しいです🙇
それでは次回のブログもよろしくお願いします!!
ドッペコーチ⭐️
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